2009年06月29日

(9) リオンくんとおばあちゃん

(9) リオンくんとおばあちゃん




都市郊外に急激に発展した地域・柳生(やなぎゅう)
この名前から類推しても

「ああー、むかしは、鄙びた所だったんだ。」
と、思うような町名です。





そんな場所に、アンジェたちの一家は
40年前に家を建てました。

にんじん畑が広がり、水田もちょっぴり
まだ、残っていました。

田んぼに仕掛けられた、雀追いの鉄砲が鳴ると
眠っていた赤ちゃんのアンジェが驚いて目を覚まし
泣き出してしまうほど凄い音を出す仕掛けでした。






10年ぐらいの間に、新しい家が次々と建てられ
町並みが出来ていきました。そのかわり、畑を囲んでいた
椿の垣根は、切り倒され、となりの天神さまの大きな杉の木は
切られ、毎年、来ていたカッコウがこなくなりました。

新しい橋が出来、都心まで10分足らずで行けるようになって
交通量が多くなりました。大きなショッピングモールができました。






ガソリンスタンド、食べ物の店が立ち並び
老人ホーム・医療関係施設が増えました。

植木を造っていた畑が消え田んぼが消えて
ある日、突然、町が出来上がりました。





農地が消えて、住宅地が出来ていくと、高層建築物が軒を並べる
ようになって小学校ができ、中学校が建てられていきます。

この信じられない速さで変わる地域の変貌を見て居て思うことは
周りの変化に比較してみて、人間は、そんなに早くは変われないんだ!
と、言う事です。




アンジェは、男の子二人のお母さんをやりながら、
海の見える児童館の先生になりました。

むかし、アンジェのママが夢見ていたような児童館で
いそがしい毎日を送っています。


アンジェの家族は、ヤングとリオンの兄弟、アンジェのだんなさん
それに、アンジェのママ(おばあちゃん)に5人です。





アンジェの家の両隣には、一軒やです。
どちらも、二階建で、右隣は男の子が二人仲の良い兄弟です。

左隣は、女の子が二人の姉妹です。
向かいの家は、男の子と女の子の兄妹す。





子どもたちが成長するにしたがって
親たちはだんだん年を取っていきます。
当たり前の摂理ですね。





今日は、授業参観の代休で小学校はお休みでした。
リオンくんは、お母さんがお勤めの事も忘れて
みんなに言いました。

「お昼に集まれる?庭でパーテーするから!」

「いつかみたいにカレーパーテーか?」

たっくんは嬉しそうな顔をして聞きました。
リオンくんは、夕ご飯のときママに言いました。

「明日、庭でパーテーしてもいい?」

「誰が作るの?」

「えっ!ママでしょう!」

疑うようすもなく、無く言ったのに、ママは、平気な顔で

「仕事でしょう。ママは、仕事よ!」
リオンくんは、困りました。





自分がお休みのときはママもお休みだと思っていたからです。

「どうしょう?」

「そういう時は、ごめんね!て、誤るのよ!」

「うん」

リオンくんは、受話器を持って自分の部屋に駆け込みました。





電話が終わってニコニコ顔をしたリオンくんが二階から降りてきました。

「連絡付いたよ。スポツ少年団の連絡網でまわした。」

「自分は、野球にはいていないのに?」






次の日のお昼の事です。
リオンくんは、おばあちゃんを誘って生協ストアーに行きました。

「おうー」

お友達が沢山集まっていました。

「パーテーをするぞ!みんな好きなもの用意して!」

みんなが食べるものを買いに行きました。





「おばあちゃん、保護者になってね!
 子どもだけだとまずいから」

お祖母ちゃんは、仕方なさそうに笑いました。
posted by ノンビー at 14:06| Comment(0) | TrackBack(0) | リオンくんとおばあちゃん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月28日

(8)パグ犬とアンジェの家族たち

(8)パグ犬とアンジェの家族たち



アンジェの子どもの頃のことを
書きましたがアンジェは、大きくなって
こども国つくりプロジェクトに参加したり
ジュニアリーダーを育てたりすることを
専門に学ぶ大学に入って
今の児童センターに勤めるようになりました。





アンジェのママたちが夢見ていた児童館は、年月を経て社会に
定着するようになりました。
慢性的な人手が足りないことや、予算不足は、ありますが、こども
たちが、帰ってからの居場所は確保されて、安全な遊び場はできた
ことになりますね。




アンジェママが務めているのは、海の見える児童センターです。
児童センターママには、男の子が二人います。




ヤング兄ちゃんがは、やっと、2歳に成ったと思ったら
弟が出来ました。昨日の夕方、急にママが入院して8時頃には

「赤ちゃんが生まれたよ!男の子だ。」
と、パパから電話がありました。




ママのお腹が大きくなって重そうに振舞っていたのは
よく見ていましたが弟がお腹の中から、出てきたなんて
びっくりしました。





ヤング兄ちゃんは、弟と何をして遊ぼうかな?
などと考えたら、
なんだか楽しくなってきておばちゃんに聞きました。





「赤ちゃん、見たい。どんな顔かな?」
おばあちゃんは、ヤングの顔をまじまじと見て

「ヤングに似ていて可愛いと思うよ、明日、会いに行こうか」
と、言いました。





今晩は、おばあちゃんと二人で過ごすのです。
テレビでは、病院で赤ちゃんが生まれてくるところを
写した番組を流していました。


「ヤング!おぼえておくんだよ。
 弟がお母さんのお腹から出てくるところを」
おばあちゃんは、真剣なまなざしでやんぐを見つめました。




「名前は、何というんだろうね!」
太郎は、テレビを横目で見ながら
明日、弟に会いに行く事を考えていました。




弟が生まれて、賑やかな家族ですが、
ヤングと弟のリオンは、どうしても、妹が
欲しいのです。



「ママ!妹が欲しい!!」
兄弟は、口をそろえて言うので、ママもパパも考えました。





そして、クリンが家に来たのでした。
ペットやさんに通っていたレオたち家族も
このパグ犬を見たとき、決心したようです。

目が、くりっとして物憂げにリオンくんの顔を
見つめてきたかわいらしさに

「この子にしましょう。」
と、ママがいいました。





リオンもヤング兄ちゃんも、パパもすぐに頷き店員さんを呼びました。
店員さんは、パグ犬を抱っこして
「この子は、イギリスの貴族の出身で血統書つきのお姫様ですよ」
などと言いながら、おどけて見せました。






店員さんが、持ち帰る準備をしてくれている間
家族4人は、お洋服の売り場に行って
「かわいいのがいいね!」
と、言いながらパグ犬に似合う洋服を探しました。





「家は、男の子ばかりで殺風景だから、少し華やかにしましゅう」
ママは、ピンクと白の袖なしを選びました。

「これでいいでしょう。次は、パパが選んでください」
嬉しそうに、楽しそうに、ママはみんなの顔をみました。





「おばあちゃん、気に入ってくれるかな!」

ヤング兄ちゃんが心配そうにレオに言いました。

「大丈夫だよ。こんなに可愛いんだもの!」
リオンは、満面に笑みを浮かべました。




おばあちゃんは、パグ犬を見るなり
「可愛い犬だこと」
と、言って両手を出しました。

パグ犬は、おばあちゃんに抱っこされて
「ウワン」
と、声を出しました。




ラベル:パグ犬 家族
posted by ノンビー at 14:40| Comment(0) | TrackBack(0) | パグ犬とアンジェの家族たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月26日

独立家屋に引っ越す

(7)独立家屋に引っ越す


アンジェとかちゃんの関係が親密になってきて、阿東さんの
家族との中にも不満が出て来ているのではないか?
と、言うこともママは、考えました。







昼の間、子どもを預けていることもあって
大家さんとの良い関係を続けながら
アンジェに自分の家は、何処で
誰が家族の一員であるということを
分からせていがなければなりません。





「あしたから、自転車で通勤だよ!」
ママが言い出したので、
「どうしたの?」
アンジェは、不思議そうな顔をしました。




「アンジェも大きくなったのだから、
 パパとママとアンジェと三人で広いところに引っ越しだ」
パパは、アンジェを高い高いしました。






ちょうどその頃
大家さんの阿東さんの貸家が出来上がり
住む人を探していました。
ママは、決断しました。




家族だけの生活の始まりです。

「同じ大家さんなのでからいいだろう」
と、思ったからです。パパも賛成しました。

「お庭もあるし、お花を植えて楽しく暮らそう。」
ママは、少し忙しくなるけれど
パパにも手伝って貰らう。
そうすれば暮らしも楽しくなると
考えて居ました。





その事をかあちゃんに話すと
「朝、連れてくるの大変ではないの?」
と、すぐには賛成してくれませんでした。




でも、やっぱり何時までも人様を頼って生活して
居てはいけませんね。

亜鳥井家の決断でした。




朝、起きて洋服に着替えてママの自転車に乗って
かあちゃん家まで行き、預かって貰う。

夕方は、ママが迎えに行って帰る。
独立した一つの家で3人で生活する。





今までは、お風呂も入れてもらい
朝もアンジェは、お布団の中に置いたまま出勤したり
していましたから、

今度は、本当に一家としての生活が始まったわけになります。






パパも、早起きしてお布団の出し入れなどを
手伝ってくれるようになりました。
きっと、生活のけじめを付ければ
母親が誰かなどアンジェが迷うことも無くなることでしょう。
と、考えていたからです。


posted by ノンビー at 14:42| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月22日

(6)アンジェのお母さんは、だれ?

6)アンジェのお母さんは、だれ?




庭から道路に繋がっている細い通路で
かあちゃんが草取りをしていました。


アンジェは、真似をして草をむしろうとしますが
草の力が強いので、アンジェは負けてしまい
その反動で転びそうになりました。





かあちゃんは、慌ててアンジェを抱きとめ
「アンジェは、危ないから、あっちの方で遊びなさい!」
と通路の下の畑におろしました。




畑には、かあちゃんが丹精こめて育てた大根が
青々と葉っぱを広げています。
アンジェは、喜んで大根畑の中に降りていきました。




勢いの良い大根の中にアンジェは隠れてしまいました。
「アンジェ、何処!」
かあちゃんは、慌てて探しました。



アンジェは、アンジェの背丈ほどもある大根を持って
葉っぱのあいだから、顔をだしました。
「大きいのを取ったね。今度は、負けなかったか!」

かあちゃんは、草には負けたけれど
大根には負けなかったアンジェを見て微笑みを浮かべました。




向かいの「何でも屋」に預かられている雪ちゃんが
よちよち歩きでやって来ました。

二人は、面白がって大根畑の中を駆け回りました。
「何処にいるの?
大根の葉っぱが揺れるのは分かるけど
二人の姿は見えない!」

と、言ってかあちゃんと
「何でも屋」のおばさんは笑いました。




そのころ、アンジェは誰が母親なのかわかんなくなっていました。
アンジェがよちよち歩きの頃のことです。



ある日曜日の午後、ママは、押仕入れの整理に夢中でした。
アンジェは、お人形さんと二人でままごと遊びです。
「マリーちゃん、よくいらしゃいましたね!お茶をどうぞ!」
アンジェは、お人形と話しながら遊んでいます。





押入れの中の埃をかき出して塵取りに入れて
振り返るとアンジェがいません。

「アンジェ!何処!」
ママは、慌てて台所へ行き
庭の植え込みを掻き分けて探しました。
「アンジェ!!何処!」
ママの声は、苛立って来ました。」



大家さんに通じる廊下の片すみに古いミシンが置いてありました。
アンジェは、ミシンの足ふみの台に座って口をもぐもぐしていました。
「何を食べたの?」
ママは、驚いてアンジェを抱き上げました。




「あら、チョコレート?これ、どうしたの?」
ママは、アンジェからチョコレートを取りあげて怖い顔をしました。
アンジェは、足をばたつかせて泣き出しました。




アンジェは、ママの手を振り払い逃げ出したのです。
よちよち歩き、いや、よちよち走りで!

ママは、驚いて
「何処へいくの?」
と、後を追いかけました。




アンジェは、知らぬ顔をして真直ぐに
大家さんの玄関に飛び込んで行きました。




廊下続きの住まいが便利だと思って暮らしていた
亜鳥井家の生活でしたがアンジェが成長するに連れて
心配事も増えてきました。




「アンジェたら、私が叱ったら
 大家さんの家に逃げて言ったのよ!」
ママは、パパに言いました。

「アンジェは、母親が誰なのか分からなくなっているんだよ」
パパも、気づいていました。

「朝から、夕方まで一緒なのだから、仕方ないけれど?」

「だからって仕事を止める訳にはいかないし」
ママは、頭を抱えていました。




「ぼくが、アンジェと話してみるよ。
 彼女にわかるようにね!」

「御願いね!
 それでもこのままの状態が続くときは
 覚悟をしなければ!」

ママは、何か決心したようです。




「仕事は止めないよね!」
心配そうにパパは、言いました。
「もちろんよ!
 私から仕事を取ったら何もなくなるもの」





そうなのです。ママは、仕事が好きなのです。
アンジェが生まれてから保育の仕事の大切さを
実感しているところでした。




でも、問題は足元から起こり始めるものなのす。
ママは、何とかここを乗り越えなければ前に進めないな?
と、心の中で思い始めていました。
posted by ノンビー at 15:47| Comment(0) | TrackBack(0) | お母さんは、だれ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月21日

東洋の魔女と児童館

5)東洋の魔女と児童館

オリンピックが始まると
どこの家でも、テレビに釘付けになて居て
朝起きるのが辛い日々が続いていました。




赤ちゃんに、お乳をあげるために夜起きる事は
苦痛ではないのに、テレビに夢中になっていて
次の朝起きられないのは、困った事でした。




眠い目をこすりながら、仕事場に急ぐのが
みんなの日課になりました。

「バレーボール凄いね!」

「女子も男子も」

「勝て居るときは、安心してみていられるのだけれども、
 危なくなると心配になるよね」

そんな話が飛び交っていた。


「東洋の魔女だて!」

「ジャンプする姿が魔女なのかな!」

テレビの普及するまでは
あまり見たことの無い世界が目の前に映し出され
日本中が驚いているのでした。





金メダルの数が話題になり始めました。

メダルを取ることがそんなに簡単なことではないのに
人々は、メダルの数に執着し始めていました。





アンジェは、開会式の綺麗な旗の波や
ユニホーム姿のお姉さんやお兄さんに
興味を示すのか、音楽に反応するのか
テレビを付けるとおとなしくなりました。




日曜日には、パパの寝巻きの懐に入れられて
首だけ出した姿で画面を見ていました。
これは、我が家の子どもに可愛がり方と言えることでした。






「今日、PTAの総会があってね!
 町中の小林さんが「児童館をつくろう」と
 発言したの?
 そこにいたお母さんたちは、何のことか分からなくて困っていたよ」

大家さんのかあちゃんは、授業参観に行って総会にもでたのでした。



「東北大の事務室に勤めている人だって!小林さん」

「私たち、児童館て何に?」

聞いたの、そうしたら

「子どもが、学校から帰ったら、遊ぶ所だって!」

「何も、家の庭とか、野原で遊べばいいでしょうにね!」

かあちゃんと隣の奥さんは、考え込んでいるようでした。




アンジェのママは、町の人々が児童館の役割を、
まだ、理解していないんだ!
と、思いました。



そのころ、町では、働くお母さんが増え始め
学童保育やかぎっ子教室が話題になっていたのでしたが

この舘下の町では、意味さえも理解されないような
現状のようでした。




「働くお母さんて、アンジェのママみたいな人のことでしょう。
 アンジェが学校へ行くようになたら、家に帰ってこないで
 公民館の児童何とかに行くてこと!」

お母さんは、今にもそこへアンジェが連れていかれるかのように
怒りをあらわにしていました。

その話を聞いていたアンジェ・ママは困った顔をしていまた。




これでは、幼児教室の開講の話なんて、きりだせないわ!!
アンジェ・ママは、心の中で自問自答していました。




子育についての願いは、今も昔も変わらないのです。

子育てに忙しいお母さんたちは、忙しい中でも
子ども達の生活が安全で楽しいものであることを願っています。
それは、今も昔も変わらない願いです。





そのころ、アンジェの周りには信頼できる預かり主を探している
働くお母さんたちがたくさんいたのです。
その人たちは、欲を言えば、集団の中で
将来、自立に耐えられるような生活習慣を
身に着けさせたいものだと願っていたのでした。




しかし、田舎の社会の生活では
「こどもは、家で母親が育てるもの」

と言う考え方が一般的でしたので、「児童館の設立」や
「赤ちゃん教室」などと言う考え方は理解されがたいことでした。



「学校が終ってから、夕方までの間
 みんなと仲良く遊んだり、宿題 やったりする所が
 児童館なんでしょう。そうゆうところがあたら、助かるね」

呉服屋さんにお勤めの光子ちゃんのお母さんが言いました。


「役場では、その話がよく出るようになったの!」
と、ゆきちゃんのお母さんが言いました。




「ゆきちゃんのママ、今度の出張のとき
 どんなところか見学してきてよ」

アンジェ・ママは、ゆきちゃんのお母さんと
仲良しになっているようです。

「仙台では、まだでしょう。
 東京には、できているのかな?
 調べてみる!」

ゆきちゃんのママは、笑顔を見せました。
posted by ノンビー at 14:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月20日

(4)オリンピックが始まるよ!

(4)オリンピックが始まるよ!





阿東さんの家の隣に89歳になるおばあさんが住んでいました。
おじいさんは、便利屋さんという仕事をした人です。





「バッパ!アンジェを湯に入れるから手伝って!!」
かあちゃんが声をかけると

「今、行くから待ってろ」
おばあさんはニコニコした顔で表れます。





「赤子は、いいね!ぷくぷくして可愛くて、みずみずしくて!」
バッパは、口癖になて居ることばを今日も口にしました。





お湯をバケツに入れてかあちゃんが現れ
大きなタライに入れるとタオルに包んだ
アンジェを静かにお湯に付けていきます。


バッパは、ガーゼを持ってやさしく赤子の体を洗っていきます。

「気持ちいいねー、気持ちいいでしょう。」

お湯を手でしゃくってかけています。





赤ちゃんは、乾いたタオルに移され
着物に着替えさせられました。


「さあ、お昼寝だよ!」

「気持ちいいから、すぐ寝るよ」

バッパは、目を細くしてアンジェの顔を見ながら
会話を楽しんでいます。




「ばあちゃん、じいちゃんに頼みがあるんだけど、仕事大丈夫かね」

かあちゃんは、便利屋さんの仕事をじいちゃんにしてもらおうと考えたようです。

「遠くじゃなければ何とかね。」

「バスに乗って大平の学校まで弁当を届けて貰いたいんだ」

「ああ、パパにか!」

ばあちゃんは、かあちゃん頼まれたお弁当を持って帰っていきました




日が経つにつれて、
アンジェは黒目がちな瞳を大きく見開いて
微笑むようになりました。





大家さんのかあちゃんは、どこへ行くときも
アンジェを負んぶしていましたので
町の人は、声をかけてくれました。




「今日は、どこへいくの?アンジェちゃん」
かあちゃんは、答えます。

「今日は、お寺の寄り合いです。」

お寺の寄り合いに来ているお年寄りたちにも
アンジェは笑いかけます。

「この子は、何処の子!外人みたいだね」

「外人じゃありません。家の離れに住んでいる人の子どもでねーー」
お母さんの話は、つい、長くなってしまいます。

夏休みになった頃、ママの体に異変が起きました。

いつも、元気なママなのに!

お医者様に行ってみていただきました。

「アンジェを生んだときの輸血が原因みたい!」

ママは、うなだれてパパに報告しました。

「それで、入院するの?」

パパが、聞きました。
「考えたんだけど、入院する訳にはいかないでしょう。
 在宅治療をお願いしてきた。 病院が近いから良かった!
 毎日、注射だって!」

と言いながら、ママは、ちょっと痛そうに顔をしかめて見せました。




空の色が、秋を感じさせるようになたころ
日本中が賑やかになりました。

「新幹線が開通して東京と大阪の間が近くなたんだよ!」

「ほんとうに夢の超特急だそうだよ}

などと言うことが職場でも家庭の中でも話題になりました。





「オリンピックは見たいけれど
 とても、見に行けないから、
 せめて、テレビで存分に見ましょう。」


アンジェの小さな住まいにもテレビがはいりました。

もう、大家さんに行って見せてもらわなくてもいいようになりました。




「亜鳥井さんの家族が茶の間に来ないと淋しいよ」
と、お母さんがいいますと
「やっぱりね!母さんは、アンジェが来ないことを嘆いているみたい」

と、上のお姉さんの綾さんは笑います。

「一日中、アンジェといっしょにいるんだものいいでしょう」
澄江さんもお母さんをからかいます。


ママは、この頃、アンジェが母親が誰なのか
分からなくなたのでは無いかと心配をしていました。





これを機会に、生活のリズムをアンジェに
教えなければならないと考えていたところです。

「開会式が始まるよ!!」
安子さんが縁側から、外にむかて、みんなを呼びました。

いよいよオリンピックが始まりました。
















posted by ノンビー at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月19日

(3)三人姉妹

(3)三人姉妹

アンジェは、おっぱいとミルクを飲んで
日に日に成長しています。



生まれたときは、3060グラムだったのが
3ヶ月の間に千3百グラムも増えて元気な笑顔
を振りまくようになてきました。





大家さんの三人娘たちがかわるがわるアンジェをあやしに来ます。
一番上のお姉さんの綾さんは、高校生で朝早くのバスで
仙台の女子高までかよていきます。





綾さんは、学校に行く前に離れ座敷をのぞきに来ます。
「アンジェ!行ってくるね!」

一言ことばをかけるとパタパタと靴の音を残して
バス道路の方に走っていきます。

「ぶーあぶ、ぶーあぶ」
アンジェは、小さな手を振って見送ります。





二番目のお姉さん、澄江さんは、
「アンジェちゃんのミルクできたよ。お出で!」
と、アンジェを抱き上げると横抱きにして哺乳瓶の口を
アンジェに含ませてくれます。

まるで、お母さんみたいに暖かい膝の上で
アンジェはいい気持ちで眠ってしまうことも度々です。




三番目は、安子!
かあちゃんは、「安べい」と呼びます。

今年、小学校の一年生!

「アンジェなんが、大嫌いでよー」

と、言って舌を出し「ベロベロ バア!」とおどかします。





三人がそれぞれ学校へ行ってしまうと
アンジェは、かあちゃんとゆっくり遊びます。

「アンジェ、今日は、畑の草取りだよ。おとなしくするんだよ」

お母さんは、アンジェを背中におんぶして
手ぬぐいをかぶり畑に出て行きました。




そのころは、まだ、働くお母さんは珍しく
この館山町で保育園に入れる家庭は稀でした。

「小さい子は、親から離れない方が良いよ。やぱり!」

「でもね、これから、外で働く女の人が多くなるんだから
保育園での生活は、 大事だと思うよ!」

綾さんと澄江さんが、珍しく議論をしています。




「都会の人は、そうだとしても、この田舎ではね!」

と、言う澄江さん

「この町は、3年保育でも、4歳児からだから
可哀想だよ。見てご覧ん!ママが 働いているのに
アンジェは、保育園にはいれないからー」

綾さんは、保育制度の遅れを指摘していました。




「あら、アンジェ・ママは、アンジェが可哀想だから
かあちゃんに頼んだんじゃなかたの?」
澄江さんは、驚きを顔に表していました。

そうなんです。まだ、働くお母さんの時代ではなかたのでした。

保育園の子どもたちは、園庭の前にある「小鳥の家」に集まっていました。

「黄色い鳥は、インコ!」

「嘴が赤いのは?」

「ああ、あれは、文鳥!」

「あの目立たない鳥?は!」

「あれは、十姉妹」

アンジェ・ママは、小鳥たちが枝から枝に飛び移る様子を
見ながら、子どもたちと話しています。

こんなときは、自分の子どものことなど思い出す暇は無いものです。





アンジェのママは、出産の時、輸血をしていました。
その後、このことは、一家にとての一生抱える問題になたのです。

輸血による肝炎、その頃は、ビールス性肝炎と言われていて
輸血のほとんどが売血でまかなわれていた時代でしたので
命の危険からの脱出だけで安心してしまて居ました。

が、発病は、2週間後にやってきました。



治療は、毎日の注射と飲み薬が山ほど
気だるく破気のない毎日がつづき、せっかくの夏休みも
暗い顔で過ごす日が多く、アンジェが可哀想でした。




「おばあちゃんの家に行こうか?」
パパが、言い出しました。

「お盆には、まだ、早いでしょう!」

ママが、躊躇しているのを横目で見ながら
パパは、外出の準備の荷物作りを始めました。




バスに乗って、汽車に乗って
東北本線上りで40分余りのところにおばあちゃんの家があります。

「アンジェ!よく来た!よく来た!」

と、おじいちゃんもおばあちゃんもアキおばちゃんも
モエおばちゃんもかわるがわるアンジェを抱っこし合いました。




賑やかなところに来てアンジェは、興奮したのか
「ブーブーアブアブ」

と、訳の分からない事を言い続けています。




夕食になりました。

アンジェは、まだ、食べられませんが
パパは、大喜びでおじいちゃんとビールを飲んでいます。

ママだけは、だるそうにして何も口にしません。




ママの姉妹たちは、そんな事にお構いなく
トウモロコシや枝豆など口に運びます。

「お母さんの作ったものは、美味しいから、お姉ちゃんも少し食べたら」
と、言って進めます。



それに、つられてママが、箸を取りました。
アンジェは、「よかった!」と思いました。
posted by ノンビー at 15:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月18日

(2)赤ちゃん友だちゆきちゃん

(2)赤ちゃん友だちゆきちゃん




センターママは、小さい時の名前をアンジェと言いました。
いや、今も名前は変わりませんが、男の子二人のままなので
だれも、アンジェちゃん!なんて呼びませんがね。




アンジェの家は、阿東さんの屋敷の離れ座敷です。

東京オリンピックの頃は、この田舎の町、田原には
まだ、アパートなどと言うものはありませんでした。


アンジェの母は、学校を卒業して、この町に就職したのでした。
新しい職場は、保育園の保母さんです。
役場の人が住む場所として、お世話をしてくれたのが
この阿東さんの家だたわけです。





保育園は、役場と小学校の間に建っていて、園児が遊ぶときは
小学校の校庭を使いました。

幸いなことに小学生の子どもたちは
小さい子どもの面倒を見てくれるので
園庭が無くても余り不便は感じていなかたようです。




働くお母さんが増え始めた頃だたので
アンジェの母は、朝早く出勤していきました。


アンジェは、大家さんのお母さんと朝ごはんのミルクを飲み
お散歩に出かけ、大きな桜の木のしたで
すずめが走り回るのを見ていました。



道を挟んで向かい側では
「何でも屋さん」がお店を開いていました。

あまり忙しくなさそうな「何でも屋」のおばさんも
女の子を一人預かっていてアンジェは、その子と遊ぶのが好きでした。


「ほうーら、アンジェ!ゆきちゃんがきたよ!」
阿東さんが頬ずりをしながら、アンジェをゆきちゃんの顔に近づけると
ゆきちゃんは、「きゃ、きゃきゃ」と、声を出して笑うのです。


それを見てアンジェは喜んで
「あぶっ、ぶっ、ぱあっ」
と、わけの分からない声を発して喜びます。

そんな事で、ゆきちゃんとアンジェはお友達になりました。



大家さんの阿東さんをアンジェは「母ちゃん」と呼びました。





ヤングとリオンくんのママの名前は「アンジェ」
東京オリンピックの年の春に生まれました。


そのころは、何処も貧しく慎ましい生活をしていました。
父と母は、共働きで、朝早くから、忙しい一日の生活が始まるのでした。

赤ん坊のわたしは、「可哀想!」と言う
父の一言でその生活リズムから、はずされました。

母の言い分もそうでした。

「わたしたちの都合で子どもを早朝から、
たたき起こす生活を押し付けるわけには行かない」
と言うことで、両親は、わたしが寝ている間に
出かけていきました。


大家さんの母ちゃんがそのあとの世話を受け持ってくれました。



posted by ノンビー at 14:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月17日

(1)パグ犬が家に遣ってきた!!

(1)パグ犬が家に遣ってきた!!




去年の夏、パグ犬が家にやってきました。手のひらに乗るくらいの小

さなパグ犬でした。環境が変わった事に気が付いたのでしょうか?

あたりを不安気に見回したりして、落ち着かない様子でした。

サークルの中に入れて家の中で飼うことにしました。

 ここから、我が家も変わり始めたのです。家には、男の子の兄弟が

居ます。兄はヤング、弟はリオン。女の子の兄弟が欲しいので、メスの

パグ犬をかったのです。彼女の名前がクリーンです。


わがやの男の子の二人兄弟は、よく手伝いをします。

ママが、児童センターに勤めていて、わが子にきちんとしつけをしなければ

と、思っているようです。



センターママは、兄弟に言いました。

「パグは、何処からやって来たのでしょうか?」調べてみなさい。

母親の言いつけには逆らえない兄弟です。

「ぼくは、パソコンで調べるから」

兄のヤングが言いました。



「おれ、ずかんだな!」

図鑑大好き、リオンくんは、さっそくどうぶつ図鑑を探しに

2階に上がっていきました。



「パグは、昔、ヨーロッパの貴族に飼われていたんだって!

性質がおとなしく人に懐くので、可愛がられたんだろうな」

リオンが、分かったぞ!と、言うように威張って言いました。





「イギリスやオースリヤの貴族の部屋の中で愛嬌をふるって

居たのでしょう。それから、中国を通って、

わが国にもやって来るようになったようです。

愛好家は、多く、ペットショップに行っても、必ず出会います。

不思議な事に飼い主は、お互いに、すぐ、親しくなってしまうので

す。」

こんな風にかいてあったぞ!!

ネットには・・・

紙にメモしておいたらしく、ヤングは、弟にみせました。



「くりーん」お祭りに行くか!」

近くの神社でお祭りが在りました。

兄のヤング、弟のレオ、それに、センターママとパパ

加えておばちゃんも、つまり、家族全員と言う事です。

そろい踏みで出かけました。

大事な事を忘れました。パグ犬「クリーン」はもちろんです。

祭りの旗が靡いて、鳴り物が賑やかな音を出していました。


ピンクのお洋服を着せてもらった「クリーン」

まず、音に驚く、次に、人に驚き足が止まって動かない!

家族の5人も立ち止る?

こんな事を繰り返し繰り返しているのでなかなか前へ進みません。

祭りの場所に何時着くのでしょう。

そんな思い出みんなが見守っていたとき、近所の柴犬が猛スピードで

走って行きました。

いきなり、クリーンが追いかけたのです。

紐を引きずって!!

5人の家族は、呆気にとられて犬の後を追いかける始末です。

パブ犬クリーンは、はためく旗も賑やかな怒涛の中に消えてしまた

のでした。
ラベル:パグ 犬 家
posted by ノンビー at 17:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。